企業の組織改革にしても行政改革にしても,なかなか進みません。
個人の意識改革にしてもそうです。
みんな改革が必要なことは理解していて,進めたい改革,でも進まない改革。
どうしてそうなるのでしょう。
改革は,おおよそ2つの段階から成ります。
まずは,「いままで続けてきたことを止(や)めること」,次は「新しいことを始めること」です。
前者ができないと,後者には進めません。
でも,前者を実行することは,後者を実行することよりもずっと難しいのです。
「何かを止めるとき」には,理由が必要です。
止める理由としてまず思い浮かぶのは「もはや続ける理由がない」という言葉ですが,これは説得力が薄くて否定されがちです。
「そもそも理由があって始めたことだろう,いまこそ初心を確認するべきだ」,「ものを続けるのに理由なんて必要なのか」,「じゃあ,あの仕事を続けている理由はなんだ?」,「だいたい,お前がここでこの仕事を続けている理由を説明して見ろ」なんて反論されるのがオチです。
「続ける理由がない」など消極的な理由でなく,「止めなければならない」という積極的な理由が必要になります。
むしろ「〇〇の理由で,いま止めなければ,大変なことになる。その時は責任をとって下さい」くらいの強烈な言葉で迫らなければ改革など始まりません。
でも,そういうことを言うのは勇気が要ります。
先人の苦労や業績を否定する要素が多く,憎まれ役を積極的に買って出る者があまりいないのです。
新型コロナの緊急事態宣言は一応終わりました。
呑兵衛の街はやや活気を取り戻していますが,それでも「ひっそりと明るくなった」ような感じで,「コロナ開けのバカ騒ぎ」を期待していた私としては空振り感ばかりです。
規制や自粛も,「続ける理由がなくなった」程度の段階なのでしょう。
積極的に「規制も自粛も止めろ」と誰かが言わないとダメなんでしょうね。
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