食と栄養こぼれ話

健康科学

【おっぱいは誰のもの?ー乳児栄養法の変遷⑧】江戸時代~現代ーまとめー

「おっぱいは誰のもの?」の連載目的は、現代において母が子に母乳を与えることを望みながらも、実現しにくい現状の問題解決の糸口を探ることであった。先行研究では授乳という行為が生みの母の思いとは別に文化的要因に大きく作用されることが示されていた。...
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【おっぱいは誰のもの?ー乳児栄養法の変遷⑦】母乳は乳児の生命を保証し、新しい生命の生涯にわたる健康づくりの第一歩

平成から令和(令和5年頃まで~2023年:現代)ダイオキシンなどの母乳汚染問題が落ち着き、母乳栄養児が増え始めた。それには日本の母子保健対策の影響も大きく母乳育児に関する出産施設での支援状況も向上したためとされる(楠田 2020)。しかしそ...
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【おっぱいは誰のもの?ー乳児栄養法の変遷⑥:昭和後期~平成元年頃】母乳の良さが認められるようになった時代

科学の進歩により、育児用ミルクの質が上がった反面、母乳の分析も進み感染抑制作用等が発見され母乳の良さも認められるようになった時代昭和後期から平成(平成元年頃まで~1989年:現代)経済状況が好転し、食糧が豊富になり、1960年代以降には小児...
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【おっぱいは誰のもの?ー乳児栄養法の変遷⑤:戦後~1950年代】人工栄養の利用が増加した時代

~終戦後1953年までは母乳栄養は70%以上であったが、その後人工栄養の利用が増加し母乳栄養は50%程度に落ち込んだ戦後(昭和34年頃まで~1950年代:現代)終戦直後、国民すべての命を保証するほどの食料はなかった。1946年において配給か...
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【おっぱいは誰のもの?―乳児栄養法の変遷④】戦時体制下(昭和24年頃まで~1940年代:近代)~おっぱいは牛からもらえなくなった

戦時体制下(昭和24年頃まで~1940年代:近代)時代背景1937年に日清戦争がはじまり、1941年には第二次世界大戦へと進んでいった。戦時中は食糧事情が悪化したことは知られており乳汁分泌量への悪影響が懸念されるが、戦争下によるデータの欠損...
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【おっぱいは誰のもの?―乳児栄養法の変遷③】昭和前期(昭和15年頃まで~1930年代:近代)~おっぱいはヒトと牛から

乳汁栄養法は主に母乳であった。この時代になると人工栄養(代用栄養品)の種類も増えてきた(図1)。しかし、新生児には母乳を与えるのが原則で、不足しているときには貰い乳が勧められている。図1.昭和時代(Ⅰ期:昭和2年~15年頃:1927~194...
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【おっぱいは誰のもの?―乳児栄養法の変遷②】  明治時代から大正時代~おっぱいは近代化の波にのったか

明治時代から大正時代(近代)~おっぱいは近代化の波にのったか明治時代になると近代化に伴い、授乳に関する考え方は大きく変化していった1)この頃になると初乳が肯定的に評価され、胎毒説①が力を失うことで、母と子が初めから乳で結ばれることが「自然な...
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【おっぱいは誰のもの?―乳児栄養法の変遷①】江戸時代~小児科学移入前(近世)~おっぱいを求めて

江戸時代-小児科学移入前(近世)~おっぱいを求めて江戸時代の乳汁栄養法は、現在のように、母乳栄養と人工栄養という区分ではなく、人間の乳(人乳)という枠組みの中で生みの母の乳と他人の乳(乳つけ、貰い乳、乳母の乳、)の区分となる(図 1)。 図...
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育児栄養学

~子育ての視点から静かに子どもの命を支える学問~ 人類が未来に向かって発展(繁栄)していくためには、子育ては欠かせない大切な仕事です。子どもたちを育て、健やかに育んでいくことが、私たちの未来を担う子どもたちに幸せな人生を送ってもらうための基...
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フードテック

フードテックとはFoodとTechnologyを組み合わせてつくられた言葉である。フードテックは、世界的な気候変動や国際情勢の不安定化を受けて食糧供給のリスクが高まっている現状において、世界的な食糧不足・飢餓問題に対応する持続可能な食糧供給の実現や、食品産業における生産性の向といった技術開発だけでなく、人間の健康の維持・増進、QOLへの改善、well-beingをもたらす技術と考えられている。フードテックの対象は多岐にわたっているが、最近は代替肉(植物肉、培養肉)、藻類食品、陸上養殖、昆虫食、次世代型植物工場、スマート育種、ゲノム編集技術、代理親魚技術、スマート育種、ゲノム編集技術、AIやロボット技術などが実用化されてきている。ところでヒトは見たこともないものを生まれて初めて食べる時には、不安を覚える(新奇性恐怖)。毒が含まれていれば命を失う危険がある。しかしその時、周囲の人々が、問題なく食べていれば、自分も食べてみようと思うことが多い(新奇性嗜好)。新しい食品へのチャレンジは、食の世界が広がりwell-beingをもたらす可能性も広がる。今後、新奇性恐怖と新奇性嗜好の葛藤のなかで、開発されたフードテックの対象品はどのように受け入れられていくのであろうか。新奇性恐怖と新奇性嗜好のせめぎあいが日常茶飯事になる日も近い。