皮膚への早期の治療介入が食物アレルギーの予防につながるという二重抗原曝露仮説を実証する世界で初めての研究成果が最近発表されている。
“乳児期のアトピー性皮膚炎への”早期治療介入”が 鶏卵アレルギーの発症予防につながる ~二重抗原曝露仮説を実証する世界で初めての研究成果~
乳児期のアトピー性皮膚炎への"早期治療介入"が 鶏卵アレルギーの発症予防につながる ~二重抗原曝露仮説を実証する世界で初めての研究成果~ | 国立成育医療研究センター
(2023年4月23日アクセス)
ところで乳幼児の食物アレルギーと皮膚の関係において
食物が体の中に入る順序が関係している。
生まれて初めて口から先に入ると腸の中で免疫細胞の攻撃を抑える細胞もつくられる。
⇒食物アレルギーは発症しにくい。
一方、炎症した皮膚から先に食物成分が入ると、攻撃を抑える成分が作られないため
⇒食物アレルギーが発症しやすい。
食物アレルギー予防には、
①皮膚に炎症をおこさないこと
②炎症が起きたら皮膚を完璧に治療しバリアを回復させる
③離乳食は遅らせることなく開始する
なお今までは、「保湿剤(ワセリン等)でアトピー性皮膚炎ならないように予防する事」と指導されることもあったが、保湿剤を使ってもアトピー性皮膚炎の予防にならないという報告がある。従ってアトピー性皮膚炎を発症した乳児を持つ保護者に、「保湿をしっかりしなかったのね」というような批判めいた言葉は慎みたい。
一方、アトピー性皮膚炎予防の有無は別にしても保湿はした方が肌には好ましいので心がけることは大切である。
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